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走行結果《アーカイブ記事》

2020.5.14

(この記事は2010/3/4 に投稿された記事のアーカイブになります)

『BMW MINI TROFHY 2010』での走行についての基本セットアップは、8月の“富士スピードウェイ”でのテスト結果と先月22日に“スパ西浦モーターパーク”にて行ったテスト結果から“リアバネレート”のみを変更して臨みました。

【プラクティス走行】
生憎の天候により路面状況はヘビーウェットだった為、現地でタイヤの内圧設定を変更してスタート。使用タイヤは予定どおり“ADVAN neova AD08”です。しかし、さすがに今回の路面状況ではABSの介入も早くコントロールが困難な状況であり、ブレーキを少しでも残すとすぐにリアがブレイクしてしまう程とのこと。スタートより2周ほどの走行を終えてPITイン。このセッションでのタイムは“2分25秒台”。

【走行1本目】
降りしきる雨の中“Ftリバウンド”を下げて走行を開始。霧も発生しており視界も悪い為、丁寧に走る。コーナーからの立ち上がりでは“待つ感じ”で走行するもクルマは全体的にピーキーでシビア。減衰力を変更した挙動の変化は、路面コンディションがとにかく悪く殆ど体感できない。タイヤが表面だけで滑ってる感じであった。このセッションでのタイムは“2分22秒070”。

【走行2本目】
この状況ではコーナリングにおいて、今以上のグリップ変化が出せそうもない為ブレーキングを重視して“Ftキャンバー”を起こすようにアライメントを変更。必然的に“トー”はイン方向に向くが、ステア初期反応が早くなってしまうことを懸念し今回は“トー”を戻しました。減衰設定はサスペンションを積極的に機能させるため“バンプ”及び“リバウンド”ともソフト方向へ変更。その結果、フロントのグリップ力がアップ(縦方向)し50m程奥まで突っ込めるようになった。多少振られる場面もあったが、幸いコントロールできる範囲。また、1本目から得たデータをもとにした“DMEデータ”の書き換えについては、エンド車速が速くなった印象はあるものの、路面状況も良くなってきた為、意識しても正直体感出来ないレベル。路面状況によりアクセルのオン・オフが多い為、ブーストの立ち上がりなども安定しにくい印象であった。タイムは“2分20秒697”。

【総括】
ドライを想定していた為、クルマの挙動としては“ピーキー”でドライバーは非常に扱いにくい印象であったと思います。この天候でのタイムは“約15秒落ち”程度を見込んでいた為、ドライでのターゲットタイムが5秒台とすると上出来な程の結果でした。状況判断からのセットアップは、時間的な制約もありましたが、これまでのテストにより蓄積されたデータより、今回は“アライメント”と“減衰設定”のみで乗り切ることが出来ました。また、普段より走行後は“データロガー”などを確認し、車両の状況を実測値から理解しようとしています。写真にあるのが、そのPC画面になりますが、ストレートエンドでは209km/hと今回は思いのほか車速が伸びていない印象でした。

前にもブログに書きましたが、今回のイベント通じて私どものクルマのチューニングについての“理念”を少しでも感じて頂ける方がいれば幸いです。特に今回のような悪条件になる程、クルマの“パッケージング”が大きく影響します。今後も積極的にテストを行い、理想のチューニングを目指したいと思います。

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