(この記事は2014/9/12に投稿された記事のアーカイブになります)
悩まされている新型MINI F56のサスペンションキットの開発について、次なる一手として“フロントアッパーのかさ上げ”と“リアのコイルオーバー化”を形にしてテストを行っています。
画像のようにフロントアッパーマウント部を20ミリ持ち上げた形状にすることで、有効ストローク量を稼ぐことにしました。ストリートを想定したレートのスプリングを使用する際にはストロークを犠牲にしたくないのでこの手法は効果的で、実際に乗ってみても良い方向にまとまって来た感じです。
ただし、今回は試作品の為スチールを溶接して形成していますが、結構な重量となってしまうので、この方式を採用する場合はアルミの鍛造型を製作して製品化を目指すのが理想。その場合のコストとのバランスは慎重に検討したいと思っています。
リアについては、純正同様のスプリング別体から、レバー比等を考慮し通常のコイルオーバーに変更しました。この方が直巻きスプリングでのセッティングの幅も増えて方向性をつかみ易いため好都合です。
調整ダイヤルが下側に来ているため倒立式に見えますが、実際には正立式を上下反転させて取付けています。単筒式のダンパーだからこそ可能な手法ですね。
こちらもスプリング別体でテストを行っていた時と比べて格段と良い方向に駒を進めることが出来た印象です。様々なシチュエーションを想定しバネレートと減衰セッティングを煮詰めて参ります。
既に一部の店舗様より順次供給を行っている「CCS・サスペンションキット」(※画像はR56シリーズ用です)は、R60シリーズ用の開発テストでは既に最終段階を行っており年内リリースを目指しております。そちらにもご期待くださいね。